層、時のカケラ
私の今回の作品の表現は、何気なくほっておかれた木片に目を向け、それが持つ時間性と、それを見た私が感じる時間性を組み合わせたものとなっている。その時間性を色彩として組み合わせ、時間の背後にある風景を強調する。さらにその作品を、特定の画廊空間に設置することで、余白のある空間を作る。それは、作品の内側に現わされる主張だけではなく、外側の空間も作品の一部であり、あることとないことを考えてもらうための方法でもある。一瞬で過ぎ去る時間、そのことを画廊の外にまで広げて、広大な空間に結びつけることである。
千崎千恵夫
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