藤原彩人〈像化-雨の行方-〉FUJIWARA Ayato Exhibition 2019.6.13-6.30

像化—雨の行方−
晴天の空が、急に曇り始め、突然、ザーッと雨が降る。
たまたまそれを軒先で雨宿りしながら眺めていた。どのくらいの時間が過ぎたかはわからないが、大して眺めていたわけではない。その雨が止んだ瞬間、雲が晴れ、太陽がまた顔を出した。軒の雨樋からは雨水が流れ、窪んだところには水たまりができ、土や木々は水気を吸い、艶やかに色深くなり、地表からは蒸気が立ち上り始めた。大きなサイクルと言ってしまえばそうではあるが、その雨(水)の廻り廻る間に様々な事物を孕む時間は、現代の人の営みも孕んでいるのだと思う。
川にある滝の上に建てられた「落水荘」を建築したフランクロイドライトが「家は丘の一部になるべきだ」と話したように、人の営みは自然の大きな循環の中にあるものと考える。
今回の個展では、空から降ってきた雨が、地表にある様々なモノに触れた時、場所や形、方向や現象、そして呼び名を変え、またいつの日か雨となることを、私が彫刻で表すとしたらどのようなものが生み出されるだろうかと考えたことが、一つの創造の起点となっている。
雨と水の関係性や自然現象と人間の営みをイメージした人体像やレリーフ作品など、雨の行方をテーマとし、像化した新作を発表する予定。
2019年5月 藤原彩人

 

 


図・像化ー雨の行方ー  2019 陶、トタン板 h225×w172×d2cm


立・像化ー雨の行方ー01 2019  陶  h168.5×w60×d43 cm        立・像化ー雨の行方ー02 2019  陶 h168×w57×d43 cm


図・像化ー稲妻と雨ー 2019 陶、合板 h69×w30.3×d2 cm   図・像化ー生花と白骨ー 2019 陶、合板 h67×w37×d2 cm


(左上)立・像化ー雨の行方ーS1 2019  陶 h30.5×w13.5×d8 cm
(右上)立・像化ー雨の行方ーS2 2019 陶 h30×w12×d10 cm
(左下)立・像化ー雨の行方ーS3  2019  陶 32.5h×w11×d10 cm
(右下)立・像化ー雨の行方ーS4 2019  陶 h29.5×w11.5×d10.5 cm


(左上)立・像化ー雨の行方ーS5 2019 陶  h32.5×w11.5×d10 cm
(右上)立・像化ー雨の行方ーS6  2019  陶 h30.5×w9.5×d7.5cm
(左中)立・像化ー雨の行方ーS7 2019  陶h29.7×w12.5×d11 cm
(右中)立・像化ー雨の行方ーS8 2019 陶 h29.7×w12×d9.5 cm
(左下)立・像化ー雨の行方ーS9  2019  陶 h28.7×w9.5×d10 cm

 


首・像化ー湛えた姿ー 2019 ガラス h23.5×w7.5×d9.5 cm

 

 


ドローイング
(左上)190130 2019 水彩、色鉛筆、ケント紙 h43.5×w31 cm
(右上) 190122 2019 水彩、色鉛筆、ケント紙 h43.5×w31 cm
(左下) 190131 2019 水彩、色鉛筆、ケント紙 h43.5×w31 cm
(右下) 190419 2019 水彩、色鉛筆、ケント紙 h43.5×w31 cm

撮影:加藤健