開催中

松浦寿夫企画連続個展
白井美穂 SHIRAI Mio

Météore -2 「Conversion」

2020年1月16日(木)ー2月2日(日)
開廊日:木ー日
開廊時間:13:00-18:00

メテオール Météore
メテオールという語は、今日では流星といった意味で用いられていますが、古代ギリシャ語、ラテン語等の語源に遡れば、広く大気現象一般を示す語でした。その意味で、気象学の語源でもあります。そして、このメテオールという語がメテオロス、つまり「空高い」という形容詞から派生したことを考えれば、この語が大気現象と同時に天文学的な意味を併せ持ちうることも想像できるでしょう。 そして、大気現象を観察してみると、世界は無数のざわめきに満ち、たえず局所的な変動に満ち溢れています。そしてこの多数性、いわば変動の多島海を航行する際につねに局所的な選択を組み立て、連鎖させていく航行者と同じく、ざわめきの多数性という条件の肯定のもとに制作を形成していくことはできるでしょうか。

今回、鷲見和紀郎、白井美穂、松浦寿夫の個々の展示を、その現われの様相の異質性にも関わらず、このメテオールという同じ指標のもとに実現する意図もまた、このような思考の展開の試みを個別的に提示する点にあります。不確定的な条件の騒音のなかから明確な形態の出現、しかも、このざわめきのあらゆる刻印とともに出現させようとする鷲見和紀郎、時間的かつ空間的な無数の偏差の干渉と変動の様態を産出する潜在的な可能態それ自体を思考すると同時にその特異な位相の局面を提示しようと試みる白井美穂、いくつもの色彩の領域の干渉と積層化の過程から、局所的な領域の可変的な接続の拡がりを提示しようと試みる松浦寿夫。

今回の連続個展では、三者三様の試みが、いずれもがたどり着くべき岸辺の所在も不確定なまま、しかも予め確定された海図も欠いたまま遂行される航行の際の個別的なウエザーリポートとして展示されることになるでしょう。
松浦寿夫

Météore – 2 白井美穂「Conversion」
地球の地殻変動とそれによる大気の擾乱、気象への影響といった、移行し転じていくエネルギーが作品を構想する際のソースとなっている。大地の圧縮や断層活動、空気塊の上昇と風、移ろいゆく雲、光の混成。関係し合い刻々と変化し続ける運動体。
それらに様々な潜在的可能性の中からの一つの現れ、捲られたカードとしてのフレームを与えてみる。すると雲は連結したフィルムのコマのようにして、その姿が捉えられる。カードはまた、空飛ぶ絨毯のように、下降する空気を示唆する絵柄を伴って現実空間に着陸する。風を生む扇の形状が二つ、上下左右反転させ並置した変形パネルの絵画は、地形変化と風の発生について想起しつつ描いた。
不可視の領域からの偶発的な出現として姿を与えられたものたちが、危うい星のごとく明滅し転々としながらも、流動的な関係を結んでいく。
白井美穂

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