開催中

町田沙弥香 MACHIDA Sayaka

アスファルトの地面の下・コンクリートの壁の向こう
ー灰色の風景をやわらかくするー

2019年10月10日(木)ー27日(日)
開廊日:木ー日
開廊時間:13:00-18:00

 

目の端のどこからでも映り込む、ひっそりと佇むコンクリートの硬い灰色
足の裏からどこまでも続く、のっぺりと地面を這うアスファルトの重たい灰色

この二つの灰色のイメージが、わたしの絵の基層となっている。
灰色と一言でいっても、きちんと観察していくと、年月を重ねると共に個性が滲み出てきて、とても情感豊かなものなのである。この静かで微かなのにどこか力強い、独特な美しさに敏感に反応できることは、自分の密かな特権のように感ていた。

しかしながら近年、この灰色の風景への感じ方が少し変わってきしまった。
今までは、表層の出来事として、つまり鑑賞の対象として壁や地面を眺めてきたけど、
今は灰色の物質として、わたしの身体や心の感覚に深く作用する存在であることに気がついたのである。このたくさんある灰色のモノは一体なんなんだろう。よく考えたら少しこわい。人の感受性は環境に深く影響されるから、自分の場合はどうかなと考えるようになった。
亀裂の激しい壁面や隆起する道路を観察していると、表層の趣だけにうっとりと意識を向けられなくなっていった。

この二つの灰色の物体は、わたしの身体と、久しく嗅いでいない土の匂いの間にある、硬い膜のようなものだったのかもしれない。

キャンバスに灰色を塗り、水で洗い流し、また灰色を塗ることを、生活の隙間で何度も繰り返している。絵とわたしに働きかける重力の感覚を、同一線上のものとして乖離しないよういつも気をつけている。

わたしは、絵の中の灰色に、たくさんの水分を繰り返し浸透させることで、イメージの中のコンクリートとアスファルトを、瑞々しく柔らかくすることから、その向こうへの到達を試みようとしているのかもしれない。

土の下で何かが活発に活動している事実を、日々の微弱な変化の現れから、皮膚感覚から感じとりたいと思い始めた兆しなのかもしれない。

町田沙弥香

 


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