野村和弘〈むしろ、幸せの音〉NOMURA Kazuhiro Exhibition 2023.3.9-4.2
撮影:加藤健
むしろ、幸せの音
今回展示した作品は、これまでずっと、解放された状態で考えてきたこと(ゆえに、この展覧会のために、というわけではなく)が、即物的に形となったもの(いつもその傾向にあったにせよ、特別な技術を駆使しているわけでもなく、小さなインスタレーション?、インスタレーションとオブジェの中間的な形態?、既製品を使うことも、それらの組み合せ方にしても、ただ磁石が引き合ってしまったかように)で、分かる人には、分かるんじゃない?、というものでしかないのでしょう。ということもあって、作品を見て、共感してもらえるのは、せいぜい10人中2、3人というところではないでしょうか(そうだとしても、誰もが眺められるようなものとしてはなかった、洞窟の奥深くに描かれたアルタミラの壁画でさへも、万人に向けられたものとしてあったはずなのです)?また、即物的に形となったものなら、いちいち説明を加える必要性もないようにも思われました。それが、どこまでトンチンカンになれるのか?、ということなら、それはそれで興味深いことですが、形として提示されたものの不十分さを、説明が埋めてくれることもないのです。(部分)
野村和弘